嵐山・嵯峨歩きは続きます!
嵯峨で今回ぜひ訪ねたかったお寺が祇王寺です。
嵯峨の奥地にひっそりと建ち、静寂に包まれた尼寺は風情たっぷりでした!
祇王寺は奥嵯峨にひっそりと佇む尼寺
祇王寺は、奥嵯峨と呼ばれる嵯峨エリアの北西部にひっそりとたたずむお寺です。
一時は廃寺となっていたそうで、そのためか苔むして廃墟のような雰囲気もありますが、殺伐とした感じはなく、どこか穏やかな空気が流れています。
祇王寺へと向かう道も、ひっそりと暮らす出家した尼さんを尋ねていくような錯覚を覚えます。
入口からして「平家物語」のストーリーへそのまま入っていけそうな門です。
平家物語と祇王寺はどんな関係があるの?
さて祇王寺に入る前に、「平家物語」と祇王寺の関係を書いておきますね。
「平家物語」には平清盛に寵愛された白拍子(歌と舞の芸能者)である祇王という女性が登場します。
ある日「清盛に舞を見せたい」という新しい白拍子・仏御前が現れます。
清盛は追い払おうとしますが、祇王が取りなして、仏御前は清盛の前で歌と舞を披露することができました。
しかし…これをきっかけに清盛の寵愛は祇王から仏御前へと移ってしまい、祇王は清盛の館を追い出され、母と妹を連れ、当時往生院と呼ばれていた祇王寺へ出家します。
母娘3人で仏門の道にいそしんでいたある日、何と仏御前まで祇王を追って往生院に出家してきました。
仏御前も清盛に捨てられたのかな?と思いましたが、そういうわけでなく、仏御前は呼び名通りもともと仏心の深い人物だったそうです。
往生院は、この平家物語のエピソードにちなんで祇王寺と呼ばれるようになりました。
境内の建物の中には仏壇があり、祇王や仏御前の像が安置されています(撮影不可)。
境内左手奥の墓地には、祇王のことを記した石碑があります。右の方に書かれた「性如禅尼」が祇王のことではないかと頂いたパンフレットに書いてありました。
祇王寺の建物はお寺というより庵
現在の祇王寺は…苔むした庭に、庵のような建物がぽつんと佇むだけで、京都で観光したどのお寺とも異なる雰囲気でした。
というのもこの庵のような建物は、もともと寺社だったわけではなく、祇王寺を再建する計画の際に、当時の京都府知事が寄付した別荘なのだそうです。
そのため建物の中に上がっても、お寺というよりはまるで個人宅のようです。
印象的な大きな丸い窓は「吉野窓」。影が虹のように見えることから「虹の窓」という別名も持っているそうです。
どのへんが虹なのかはよくわからなかったけど!
吉野窓を外から見たらこんな感じです!
祇王寺の苔庭がすばらしい…
祇王寺の庭には苔がびっしりと生えていて、素朴な庵風の建物とよく調和しています。
庭の一角には祇王寺の苔を展示している場所もあります。
祇王寺のお庭の一角は、嵯峨名物の竹林に面しています。
苔、竹、ひっそりとした庵、車道から離れた奥地…と、祇王寺は嵯峨地区のひそやかで静寂な美しさをよく表しているお寺だと感じました。
いわゆる「わび・さび」ってこういう美のことを言うのかな…。
まとめ
嵯峨の祇王寺観光の旅行記でした!
祇王寺は苔の庭や竹林、こじんまりとして美しい庵、平家物語に描かれた歴史…などを味わえる、風情たっぷりのお寺でした。
今回京都旅行で回ったお寺の中でも、特に気に入ったお寺の一つです!
嵯峨の奥の方にあり、アクセスしやすいとは言えませんが、嵯峨エリアのひっそりとした美を堪能できるお寺です。ぜひ訪ねてみてください!