今回の京都旅行で私が一番楽しみにしていたのは、広隆寺の国宝仏像である、弥勒菩薩半跏思惟像(はんかしゆいぞう)です。
京都旅行記の途中で突然ですが、実はワタクシ、奈良が大好きです。
高校生の修学旅行で京都・奈良を回った時に、金閣や清水寺より薬師寺や唐招提寺の方が好みでした。
で、大学生の頃に奈良に一人旅したのですが、その時に広隆寺の半跏思惟像を見るつもりでした。
…ハイ、そうです。「広隆寺」とか「太秦」という地名が何となく奈良っぽくて、広隆寺は奈良にあると勘違いしていたんです!
その時に見損ねてしまった広隆寺の半跏思惟像…約20越しの夢がようやく叶うぞ…!
広隆寺への行き方
広隆寺は太秦(うずまさ)という地区にあります。
太秦は京都中心部から嵐山・嵯峨エリアに行く途中にあります。
広隆寺の最寄り駅となるのは、路面電車嵐電の太秦広隆寺駅。
太秦広隆寺駅は、20世紀的な雰囲気が楽しい駅です!
この太秦広隆寺駅のすぐ目の前に広隆寺があります。
嵐電の撮影所前駅、JRの太秦駅からも歩いて10分程度で徒歩圏内です。
広隆寺の境内は自由に散策できる
広隆寺は嵐電が通っている大通りに、大きな楼門が面しています。
楼門をくぐって広隆寺の境内に入ります。
広隆寺の境内は広く、境内は無料で自由に散策できます。
広隆寺の境内はしっかり整備されている印象です。右の方には重要文化財の講堂が見えています。講堂の中に入ることはできません。
半跏思惟像が祭られているのは右奥の新霊宝殿
半跏思惟像はどこにいらっしゃるのかな…
ずっと広隆寺の境内を奥に歩いて行くと、左奥の方に入場券売り場の小屋が見えてきます。
右の小さな小屋が入場券売り場。ここで拝観料を払い、そのまま切符売り場の隣にある門をくぐっていくのかと思いきや、切符売り場隣にある門からあちら側は非公開エリアでした。
拝観料を払ったら、切符売り場のさらの奥の方「入口」と書いてある方へ進みます。
こちらが半跏思惟像が祭ってある新霊宝殿。
新霊宝殿はかなり新しい建物です。
半跏思惟像の他、広隆寺が所蔵している国宝・重要文化財の仏像を保管&展示するために作った建物なのかなと言う感じでした。
念願の半跏思惟像にお会いできた!
新霊宝殿には国宝や重要文化財の仏像がたくさん展示されています。
その中でも弥勒菩薩半跏思惟像はやはり特別で、お堂の真ん中に祀られていました。
静かな淡い微笑みが…素敵でした…!
足の組み方や、しなやかな指…細かい部分まで優美です。
半跏思惟像といえば、もう一つ奈良の中宮寺の仏像が有名で、写真で見ると中宮寺の半跏思惟像の方がやさしそうに見えます→中宮寺の公式サイト
ですが、実物を見ると広隆寺の半跏思惟像は写真以上に慈悲深いやさしい表情をしていて、像全体のしなやかさも想像以上でした。
彫刻の魅力はやっぱり写真では伝わらないものがありますね。
私は中宮寺の半跏思惟像も実物を拝観したことがありますが、中宮寺は親しみやすく誰にでも微笑んでいる感じの雰囲気、広隆寺は気位が高く貴族風な感じがしました。
二つの半跏思惟像、どちらとも素晴らしいのですが、少しタイプの違う美しさ・魅力があるのがよいですね!
ちなみに弥勒菩薩半跏思惟像とは、「半跏思惟」のポーズを取っている弥勒菩薩像という意味です。
弥勒菩薩は慈悲の仏で、「半跏思惟」は「どうやって人々を救おうかな~?」と考えているポーズなのだそうです(広隆寺で頂いたパンフレットより)。
だからあんなにやさしい表情をしているんですね。
広隆寺の半跏思惟像は、昔、拝観者が触って指が取れてしまった事故があったそうで、そのためか結構遠目でしか拝見できないのが少し残念です。
半跏思惟像の前には靴を脱いで上がれる畳が用意されています。
あまりそこに上がる人はいなくて、ゆったりと半跏思惟像と向き合うことができました。
半跏思惟像はそれぞれの角度から、それぞれ違った美しさを感じることができます。
ぜひ長い時間をかけて、ゆっくりといろんな場所から観賞してみてください。
広隆寺は聖徳太子とゆかりの深いお寺
霊宝殿の前にはよく整備された綺麗なお庭があります。
池の向こうには上宮王院太子殿が見えます。この「太子」とは聖徳太子のことで、太子殿では本尊として非公開の聖徳太子像を祀っています。
広隆寺は飛鳥時代(603年)に建立された聖徳太子とゆかりが深いお寺で、霊宝殿の中にも聖徳太子像があります。
そういえば「広隆寺」と「法隆寺」って名前が似てますよね。私が広隆寺が奈良にあると思い込んでいたのはそのせいもあるのかな。
広隆寺のトイレ情報
広隆寺のトイレは、霊宝殿があるエリアの、入口とは逆の端の方にあります。
有料エリアなので拝観料を払っている人しか入れないため、それほど混雑していませんでした。
清潔なトイレですが、女性トイレは洋式が一つしかなく、洋式がいいという人は少し待つかもしれません。
広隆寺観光まとめ
広隆寺を観光した旅行記でした!
広隆寺は拝観料が800円で、入館できるのは仏像展示をしている新霊宝殿だけです。
私は弥勒菩薩半跏思惟像に会えただけでも満足でしたが、仏像にはそれほど興味ないという方は少し割高に感じるかもしれません。
個人的には国宝第1号の弥勒菩薩半跏思惟像は、人生で一度は見ておきたい仏像だと思います!