ウィーンにはたくさんの素晴らしい美術館がありますが、間違いなくそのひとつに数えられるのがアルベルティーナ絵画館(Albertina)です。
私はアルベルティーナ絵画館をゆったり2時間以上観賞しました。
その中で印象に残った必見作品を一気にご紹介します!
「モネ(印象派)からピカソ(20世紀初頭)まで」
アルベルティーナ美術館の常設展の基幹となっているのが、「MONET BIS PICASSO」と呼ばれる展示で、モネなどの印象派絵画から、ピカソなど20世紀初頭の絵画までを展示しています。
アルベルティーナは展示場所がよく変更されるそうですが、私が足を運んだ時は2階に展示されていました。
クリムト「水の精たち(銀の魚)」
アルベルティーナで唯一観賞できる、彩色までされたクリムト作品。
水の精(Nymphs)というタイトルの他に、銀の魚(Silver fish)というシャレた名前でも呼ばれる作品です。
モネ「睡蓮」
美しい色彩でいかにも印象派って感じのモネ「睡蓮」。この展示室の目玉作品です。
ゴーギャン「装飾された樽」
こちらはゴーギャンが装飾を手掛けた樽。
マティス「パロットチューリップ」
マティスが描いたカラフルなチューリップ。私はマティスの良さってあまりわからないんですが、この絵は珍しく好きでした。
エミール・ノルデ「月光の夜」
ドイツの画家エミール・ノルデの作品。色合いが素敵です。
ムンク「冬の風景」
ムンクによる「冬の風景」。寒々として、どこか人を不安にさせるようなムンク特有の色使いですね。
モディリアーニ「シャツを着た若い女性」
モディリアーニ…の良さは私はよくわからない…ですが、モディリアーニ作品です(笑)!
パウル・クレー「ばか」
この作品は好きですね!タイトルも「ばか(The Fool)」。こんな絵なら好きな私…。
フランツ・セドラチェク「木の上の幽霊たち」
あーこれも好き!木の上にとまっている幽霊たちがかわいらしいこと!
幽霊というより、何だかくたびれた現代のビジネスパーソンたちにも見えてしまう…
シャガール4点
シャガールの作品が4点ほどありました。
「村の風景」。牧歌的。何で魚がいるんだよと問いたい…。
こちらも「村の風景」。右からのぞいているヤギさんみたいなのがいいね!宙を浮いている馬車や、転がっているおじさんについては不明。
「母性」。…お母さん青くてデカすぎて怖いけど…母性。
「花と眠る女性」。この作品がアルベルティーナにあるシャガール作品では、一番素敵だと感じました。
ミロ3点
「変身」。何が何に変身しているかなんて私に聞かないでください…。
「鳥と昆虫」。あ、これはどの子が鳥でどの子が虫なのかわかりますね!
「太陽の前の女性」。私にはRという文字にしか見えないんですが、女性すか…。
いや、よくわからないですけどね、ミロの作品は好きでしたよ!
マグリット「魅惑の場所」
印象派以降の作品はよくわからない私なんですけど、実はマグリットは好きなんですよー!妙な現実感と非現実感があって、心に響きます。
タイトルは「魅惑の場所(The Enchanted Spot )」。
まるで切り株が自分で自分を切り落としたみたいな場所に斧があるのが不思議。
ピカソ7点
ピカソ作品は7点も展示されていました。
「鳥とフルート奏者と裸体の女」
「地中海の風景」。エーゲ海の島ですかね?元気なビタミンカラーが楽しい!
「ギターと静物」
「緑の帽子の女」
「キジ」。…死んじゃってますよね?ピカソにしてはあまり崩していない絵ですが、私はピカソのこういう絵の方が好きです。
「シルヴェット(Sylvette)」。ピカソはシルヴェットと呼ばれる、ポニーテールの女性をよく描いているそうです。
「椅子に座る動作(?)」ドイツ語では「Akt in einem Sessel sitzend」です。
…結論としては、もし一流画家に肖像画を描いてもらうなら、私ならピカソではないですね!
2階の素描コーナー
アルベルティーナは、著名画家の素描・デッサン作品をたくさん所蔵していることでも知られています。
デューラー「野兎」
アルベルティーナの目玉作品デューラーの「野兎」は、デッサン作品なんですね。
デッサン展示エリアにあるのですが、探し回ってウロウロしてしまいました。
私はぶっちゃけこのうさたんが見たくてアルベルティーナに入ったのですが、ぶすっとした表情が非常にかわいらしかったです!
デューラー「祈る手」
手しか描かれていない、しかもデッサンなのに存在感がある作品。
手だけで恐怖感をかもしだした月影先生を思い出しましたよ…(ガラスの仮面の話)。
デューラー「赤いフェルト帽をかぶった息子ニコラス」
デューラーの息子さんだそうです。いい感じですね!肖像画を描いてもらうならピカソよりデューラーですよ!
ミケランジェロ「背後から見た男性のヌード」
「筋肉だなあ」と思ったら、ミケランジェロの素描でした。筋肉です。
クリムト「ケープと帽子を身に着けた女性の肖像」
デッサンでも、クリムト作品の退廃的な甘美さが感じられますね。
シーレ「オレンジの衣装を着た自画像」
シーレのデッサンもいくつかありました。シーレってシーレいわくこんな顔をしていたそうです。
【おまけ】3階の特別展示フロア
3階では期間限定の特別展示が行われていました。
ちょうどルネサンス期~バロック期のフランドル絵画を中心に展示していて、私は印象派以降よりこの時期の絵が好きなのでラッキーでした!
2019年夏までの展示で、現在は展示していない可能性が高いですが、おまけとして紹介しておきます。
クエンティン・マサイス「収税人たち」
ベストセラーになった「帳簿の世界史」の表紙の絵に似ていますね。緑の頭巾の男がワルすぎる…。
アルチンボルド EARTH
奇想天外の画家アルチンボルトの作品。動物を寄せ集めた「地」の擬人像です。
ヤン・ブリューゲル「トビアス少年のいる風景」
ヤン・ブリューゲル(父)の作品。色合いが美しくて気に入りました!
トビアスというのは天使に付き添われてお使いへ行く少年ですが、画面の中でがんばって天使を探してみてください。その右隣にいるのがトビアスです。(ヒント:川の近く)
ルーベンス「クララ・セレーナ・ルーベンスの肖像」
ルーベンスが長女を描いた作品です。ちょっと前に来日していましたよね。
ルーベンス「鏡の前のヴィーナス」
これはいい!鏡の中のビーナスがこれ見よがしにこちらを見ているのがよいですね!鏡を支えている息子クピドが、完全に使用人状態…。
アメリング「マリー・フランツィスカ・リヒテンシュタイン侯女」
最後はこの愛くるしい赤ちゃんの寝顔で締めます!
こちらの作品もルーベンス作品と一緒に来日していたそうなので、このリヒテンシュタインコレクションは、世界中を巡回して、お家に帰るのかもしれませんね。
まとめ
以上、アルベルティーナ美術館の必見作品を私の印象に残った作品を中心にまとめてみました。
アルベルティーナは、印象派以降の絵が好きな人が特に楽しめる美術館だと感じました。
とはいえ私は印象派以前の絵が好きなのですが、デューラーのウサギちゃんを見たかっただけなので、それを見れただけでも大満足でした。
うさたんマジかわいいので、アルベルティーナに見に行って損はないと思います!