パルメンハウスでランチした後、近くにアウグスティーナ教会があったので、ふらっと足を運んでみました。
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アウグスティーナ教会内には、カノーヴァ作の美しい墓碑がありました。
アウグスティーナ教会はどんな教会?
アウグスティーナ教会は、ホーフブルク(王宮)の中にある、ハプスブルク家の宮廷付属教会です。
カトリックの守護者であったハプルブルク家の結婚式は、代々このアウグスティーナ教会で行われました。
マリア・テレジアやエリザベートもアウグスティーナ教会で結婚式を挙げたそうです。
教会は14世紀前半に建てられたゴシック建築ですが、内部はかなり新しい感じがするので、後代に増築・改築されているのではないかと考えられます。
シャンデリアのような灯りが吊るされていますが、それでも「皇帝家の結婚式が行われたにしては、あまり華美でないインテリアだなあ」と感じます。
ウィーンの宮殿めぐりをして、ハプスブルク家は華やかというより堅実な感じを受けましたが、アウグスティーナ教会を見てもやはり同じ印象が残りました。
中央祭壇は、ゴシックらしい尖塔によって飾られています。
後ろに置かれたロココ様式のパイプオルガンは、なかなかゴージャスです。
カノーヴァ作クリスティーナの墓碑
アウグスティーナ教会で心に残ったのは、カノーヴァ作の墓碑彫刻です。
こちらがアウグスティーナ教会内にある、カノーヴァ作の墓碑です。
この墓碑は、マリア・テレジアの娘クリスティーナを祀っています。天女のような女性が掲げているメダルに描きこまれた横顔がクリスティーナです。
クリスティーナが亡くなったときに、夫であるアルベルト公が作らせたのがこの墓碑。
妻の死を悲しんで、大彫刻家のカノーヴァに墓碑を依頼するなんて、クリスティーナは愛されていたんだなあ…と感じます。
午前中に見学したシェーンブルン宮殿のオーディオガイドで、「クリスティーナはマリア・テレジアお気に入りの娘で、娘たちの中で唯一、政略でなく恋愛結婚を許された」とありましたが、そのエピソードを思い出しました。
葬送に参列していると思われる女性たちの、悲しみに沈んだ表情。カノーヴァ作品の人物表情は、非常に深くて見事だと感じます。
ライオンが眠ってしまっているのは、何を表現しているのでしょうか。
このライオンにもたれかかって、悲しみに暮れた表情をしている天使は、夫アルベルト公の悲しみそのものを表している感じがします。
アウグスティーナ教会のすぐ近くには、夫アルベルト公ゆかりのアルベルティーナ美術館があります。
死後も、アルベルト公とクリスティーナは夫婦で寄り添い合っているような感じがしました。
ハプスブルク家の心臓安置所以外は無料見学
アウグスティーナ教会にはハプスブルク家の心臓安置所があります。
といっても、リアルに心臓が置いてあるのではなく、心臓が入った壺を見るらしいのですが、日曜限定でツアーガイドのみというハードルの高さです。
アウグスティーナ教会の公式サイトもドイツ語のみなので、さらにハードル高いです。
私、大学でドイツ語専攻だったはずなんだけど…公式サイトを見てもキルへ(教会)くらいしかわかる単語がない…。
どうしても「心臓(の壺)が見たい!」という場合は、観光案内所などで情報を集めるのがよさそうです。
アウグスティーナ教会は、ハプスブルク家の心臓安置所以外のエリアは無料で見学できます。
カノーヴァ作の墓碑は、「無料で見学できるなんてスゴイ!」という作品ですので、近くを通ったら、ぜひアウグスティーナ教会に足を踏み入れることをおすすめします。