インスブルックの中心街は、予想していたよりもずっと美しい町並みでした。
その美しい町並みを作り出しているのは、エルカーと呼ばれる出窓です。
「エルカー」って何?
エルカー(Erker)とは、チロル地方の建築物に特徴的な出窓のことです。
上の方の階から、下の方までずっとつながっている出窓で、縦に細長く出っ張っているのが特徴です。
このエルカーは、非常に美しく装飾されていることが多いです。
エルカーはインスブルックだけでなく、「チロル地方」と呼ばれる、オーストリアと北イタリアにまたがる地域一帯で見ることができます。
インスブルックの美しいエルカー!
インスブルックは、このエルカーを見て歩くだけでもじゅうぶん観光になる町です。
外壁いっぱいにエレガントな絵が描きこまれた建築物です。
貼りだしたエルカーがいいアクセントになっています。
こちらは紋章や模様が入っていて、ハイセンスな雰囲気のエルカー。エルカーの上部分も面白い形になっていて、全体として目を惹く建物でした。
このエルカーは、ハトがいっぱいとまっているのかと思いきや、この鳥たちは彫刻でした!
ハトよけのためですかね?それとも純粋な飾りでしょうか?
こちらはかなり手の込んだ彫刻で飾られているエルカーです。
クマやサル、シカ、クジャクなどの動物、異形のモンスターもいます。ずーっと見ていても飽きないエルカーでした。
こちらは私が宿泊したホテルですが、丸っこい控えめなエルカーがついています。
こちらは「WeinHaus(ワインハウス)」と書いてあるので、ワイン醸造所かワインバーなのだと思いますが、エルカーにワインを作る様子が描かれています。
ラブリーな画風ですよね!
こちらはインスブルックで有名なロココ建築物、ヘルブリングハウスのエルカーです。
全体としてフリフリしているロココ建築ですが、エルカーがあることで建物にメリハリがあると感じました。
インスブルック最高のエルカーは?
さて、インスブルックで最高のエルカーと言えば…
やはり黄金の小屋根でしょう!
そう、黄金の小屋根も実はエルカーなんですね。
神聖ローマ皇帝、ハプスブルク家のマクシミリアン1世が、広場で行われる催し物を観賞するために作られたエルカーで、きっちりと装飾されています。
古そうなフレスコ画が歴史を感じさせます。
ハプスブルク家の双頭の鷲の紋章も描かれていて、いかにも皇帝用エルカーって感じです。
エルカーを見て歩くだけでも楽しいインスブルック!
インスブルックは、ガイドブックを読むと「それほど見どころが多いわけではないのかな…」と思いましたが、実際に足を運んでみると、想像以上に町そのものが美しかったです。
特にエルカーを見ながら町歩きすると、それだけで美術館にでも入場しているかのように楽しめます。
エルカー見学は無料でできるのも嬉しい!
インスブルックでは、観光名所をピンポイントでたどるだけではなく、エルカーの並ぶ美しい町並みを楽しみながら歩くことをおすすめします!