白川郷観光は、あいにくの雨。
合掌造り住宅が立ち並ぶ集落は、雨でも風情たっぷりなのですが、さすがに3月の雨は冷たくてあまり歩き回ると風邪をひきそう…。
そこで雨足が強まった午後からは、入場観光できる合掌造りの建物に入って観光することにしました。
まずは最初に入った長瀬家の旅行記です!
「長瀬家」はどんなお家?
長瀬家は白川郷最大級の五階建て合掌造り家屋です。
五階建てとはビックリ!白川郷の合掌造り住宅は意外と大きいんですよね!
入場観光できる合掌造り家屋は建物の一部を公開している場合が多いですが、長瀬家は最上階の5階まで上れちゃいます。
長瀬家は初代から三代目までの当主が漢方医で、三代目は加賀藩の藩医もつとめたそうです。
長瀬家の合掌造り家は1980年(明治23年)築。完成させたのは五代目で、三年がかりの大工事だったそうです。
こちらが雨の中にたたずむ長瀬家。雨が降って幻想的!
強い雨のため近くでの撮影はしませんでしたが、近くで見るとその大きさに驚く建物です。
長瀬家で知る「結」の精神!
長瀬家に入って最初に見学するのは1階です。
1階は畳が敷かれていて、そのまま生活できそうな雰囲気です。
囲炉裏には火が炊かれていて、雨で冷えた手足が温まってホッとした気持ちになりました。
1階には長瀬家に伝わる祝祭道具や、医療具などが展示してあります。
こちらの大盃は、結を誓い合うための祝祭道具。
高校の日本史で「結・もやい」って習ったなあ…。
白川郷では屋根の葺き替え作業を行う時に、村人が無償で協力する「結」の精神が現在でも残っています。
長瀬家では2001年(平成13年)に村人を中心としたボランティア500人以上によって、屋根の葺き替えが行われました。
館内のテレビでは、その様子を伝えるNHKのドキュメンタリー番組が放映されていて興味深かったです。
同じ合掌造りの家の人には相互援助だから頼みやすいけど、合掌造りでない家の人には一方的に協力を頼むため気がひける…と長瀬家の人々が言っていましたが、快く引き受けてもらっていたエピソードが心に残りました。
二階には使用人の部屋
五階建ての合掌造り建築とは何とも豪華ですが、居住区間は1階だけで、2階以上は仕事空間となっています。
仕事場を兼ねた自宅という感じなんですね。
梯子を上って上の階へと行くと、そこからは普通の居住空間ではなく、合掌造り独特のワールドです。
1階から上の階へ上がる梯子の途中に、中二階のような二階があり、小さなスペースがあります。
この小さなスペースは、使用人の部屋だったもの。
手書きで「主人より頭をあげないように天井が低くなっている」と解説がありました。
何とも世知辛い気持ちになりますが、今とは時代が違うタテ社会の名残ですね。
3階から上は展示品がもりだくさん!
階段を上ってどんどん上の階へと上ります。楽しいっ!
上の階には仕事で使った用具や、雪山で使う防寒具などの展示があります。
上の階で行われていた仕事は、主に養蚕の作業だそうです。
上の階に行けば行くほど、屋根の傾斜がよくわかって楽しい!
窓からは白川郷の合掌造り集落の風景を楽しめます。それにしても雨が強く煙っていて、寒そうな風景…。
合掌造りの屋根の構造が内側からよくわかる!
ついに合掌造りのてっぺんまでたどりつきました!5階です。
白川郷ではいくつかの合掌造り住宅に入場しましたが、屋根のこんな上のほうまで見学できるのは珍しいです!
何と言っても驚くのは、合掌造り建築には金属の釘類が使われていないこと!
内部から見ると、ガッチリとひも状のもので締められているのがわかるのですが、これでよく建っているよなあ…。
上の方の階は通路が狭く、そのサイドからは階下が見えていて、「踏み外すとヤバイ…」という感じのスリルがありました。
長瀬家見学にかかる所要時間と注意点
長瀬家は5階まであり、展示品も多いため、じっくり見学しようと思うと結構時間がかかります。
見学時間の平均的な目安は30分くらいだと感じました。
私は雨が降っていたこともあり、ゆっくりと40分くらいかけて見学しました。
また3月の見学は、2階以上の部屋は床から冷えてくる感じがあり、足が結構寒かったです。
冬季に訪問する場合は、ちょっと厚めの靴下やレッグウォーマーを用意していくことをおすすめします。
まとめ
白川郷で、合掌造り建築・長瀬家を見学した感想でした。
5階まで上るのは楽しいですし、合掌造り建築を内側から満喫できます。ぜひ入場観光してみてください。
白川郷のホテルは天然温泉とおいしいお食事の「結の庄」がおすすめです!