ウィーンは世紀末建築と呼ばれる、奇抜で美しいのに実用的な建築物が町のあちこちで見られます。
その中で、マヨリカハウスとメダイヨン・マンションを鑑賞したので、ご紹介します!
二つの世紀末建築が並びあって圧巻!
ウィーンを代表する世紀末建築であるマヨリカハウスとメダイヨン・マンションは、隣り合って建っています。
ピンク色が目を惹く、派手でかわいらしいマヨリカハウスの方が先に目に入ってくると思いますが、お隣で黄金がきらめいているメダイヨン・マンションは、おしとやかに佇んでいる、そんな感じです。
マヨリカ・ハウス
まずはピンクの花柄が目を惹くマヨリカハウス(Majolikahaus)を見てみましょう!
ピンク色のお花はバラです。植物モチーフが装飾に使われていて、アール・ヌーヴォー的な感じがする建物です。
この建物が「マヨリカ」ハウスと呼ばれるのは、外壁はイタリアで生まれたマヨリカ焼きのタイルで作られているんです。
パッと見ると全然タイルだとはわからないのですが、よーく見るとタイルの正方形が見えます。
この派手でかわいらしい建物は、集合住宅として作られたそうで、装飾的でありながら、どこか現代風の機能性も感じられます。
見上げると、軒下も手抜きなく装飾されています。こうやって見ていると、どこか東洋的にも見えてくるのが面白いですね。
マヨリカハウスの作者は、世紀末ウィーンを代表する建築家のオットー・ヴァーグナー。1899年に完成しました。
メダイヨン・マンション
マヨリカハウスのすぐお隣にある、白地に金模様が輝いている建物がメダイヨン・マンションです(Medaillon Mansion)。メダイヨンハウスとも言われます。
マンションという名称からわかるように、マヨリカハウスと同じく集合住宅として作られました。
では「メダイヨン」は何を意味するのかというと…
よく見ると金色のメダルが、外壁を飾っているんです。
メダルには女性の顔が描かれています。ひとつひとつ違う顔が描かれています。
メダイヨン・マンションの内部には、シャレたエレベーターがあるらしいのですが、現在でも住居として使われている建物なので、観光客が中に入ってみることはできません。
メダイヨン・マンションの一番上には「ヤッホー」とでも叫んでそうな、人物像が据えてありました。
このメダイヨン・マンションの作者も、マヨリカハウスと同じ、オットー・ヴァーグナーで、完成したのも同じく1899年です。
雰囲気が違う建物なのに、作者さんが同じなんですね!
マヨリカハウス、メダイヨン・マンションの最寄り駅
マヨリカハウス、メダイヨン・マンションの最寄り駅は地下鉄ケッテンブリュッケンガッセ(Kettenbrückengasse)駅です。
駅名長すぎて覚えられない…。
ウィーンの中心からやや南西に外れた場所にありますが、セセッシオン、ナッシュマルクト市場などが近いです。
カフェ・シュペールも近いので、一緒に訪ねてもいいかもしれません。
ケッテンブリュッケンガッセ駅周辺は、マヨリカハウス、メダイヨン・マンションだけでなく、美しい建物が立ち並んでいます。
ウィーン中心部とはまた少し違う雰囲気を楽しめます。ぜひ足を運んでみてください!