プラハは「建築の町」と言われますが、プラハを彩る建築様式のひとつがキュビズム建築です。
要するにピカソみたいな建物ってことでOK?
・・・ピカソの芸術性もイマイチ理解できない私には、キュビズム建築と言われてもピンと来ないのですが、とりあえず見てみることにしました。
キュビズム建築は、プラハ以外ではあまり作られることがなく、プラハでしか観賞できない貴重なものだそうです。
プラハのキュビズム建築は、ヴィシェフラドと呼ばれる、プラハ中心部から少し離れたエリアに集まっています。
今回そこまで足を伸ばす時間がなかったのですが、旧市街周辺でもいくつかのキュビズム建築を楽しめたので、ご紹介します。
「黒い聖母の家」はキュビズム階段が不思議
まず、プラハ観光の中心部に最も近く、名前を知られているキュビズム建築が黒い聖母の家です。
建物の角に、黒い聖母の像があるため「黒い聖母の家」と呼ばれます。
それほど目を引く建物というわけでもないので、立ち止まらずに素通りしていく観光客もいます。
この建物のどこがキュビズム建築なのかというと…
窓に注目してください!いろんな角度から見て楽しめるように、多面的な作りになっています。
それだけではキュビズム建築としては物足りないよ~!
という方は、ぜひ中まで入ってみましょう。
このように、奇妙に角度がつけられて不思議にねじれた形の階段があります。これがキュビズム様式だそうです。
らせん状の階段を見上げると、妙なねじれ方のためか、何だか不思議な心持ちになってきます。
この黒い聖母の家には、キュビズム風のインテリアで飾られたカフェが入っています。
また、キュビズム風の雑貨を販売しているショップもあり、プラハの旧市街でお手軽にキュビズム建築を楽しめるスポットとなっています。
アドリア宮殿は内部まで美しい!
旧市街を南下していくと、ナーロドニー通りという、モダンな建物が建ち並ぶ大きな通りに突き当たります。
このナーロドニー通りから、ユングマン広場へ向かう途中に現れる大きなキュビズム建築が、アドリア宮殿です。
だいぶ日が暮れてきて、夕景になってしまい色がわかりにくいですが、赤っぽい色をした結構派手な建物です。
このド派手な建物と、黒い聖母の家が、同じキュビズム建築だと言われてもピンと来ませんが、このアドリア宮殿は、キュビズム様式にアールデコ様式も加わっているのだそうです。
アドリア宮殿も、少しだけ中に入ることができます。
入り口上には「ようこそ、おいでよ!」と言っているみたいに手を広げている人物像があり、誘われるようにして中に入ります。
中はエレガントなホールの作りになっています。遅い時間なのでほとんど閉まっていますが、いくつかのショップが入っています。
アドリア宮殿の名前の由来となった、イタリアの保険会社アドリアの入り口だと思われます。
時計の両脇には黄道十二星座の彫刻が飾られていて、エレガント!
外観は派手派手であまり好みではなかったアドリア宮殿ですが、内部のホールはとっても素敵でした!
ユングマン広場のキュビズム様式の街灯
旧市街で見られるキュビズム建築で、有名なものがもう一つ!
建物ではないのですが、街灯です!
斜めにカットがたくさん入れられていて、エレガントだけどかわいらしい!タダの街灯なんですが、町の中で存在感を放っています。
二人ほどが腰かけられる作りになっていて、地元っ子たちが座っていました。
地元っ子が立つのを待って、私も記念に座りました!
このユングマン広場の街灯を探すのに、暗い時間だったこともあって迷ってしまったのですが、地図を見ていると日本語で「お手伝いしましょうか…?」という声が!
驚いて顔を上げると、1ヶ月前まで千葉に滞在していたというチェコ人男性でした。
彼は日本食をほめちぎっていて、私が
チェコ料理も美味しいですよ!(おべっかでなく本音)
と言うと、「チェコ料理はダメです。長期的にチェコに住むとあの白パンは太りますよ」と日本語でスラスラ答えてくれました。
白パンは、おそらくチェコ名物のクネドリーキのことですね。
他にも「プラハ中央駅とヴァーツラフ広場は、夜はドラックを売る人がいるので危険」などと、
プラハを去る1日前じゃなくてもっと早く知りたかったよ!
ということを教えてくれました。
ですがユングマン広場の、キュビズム様式街灯のことは知りませんでした(笑)。
観光客には有名だけど、地元の人には普通すぎて何でもないものがあるのも「旅行あるある」ですね。