奈良旅行で念願の長谷寺へ行ってきましたが…とっても素敵でした!
長谷寺の見どころと、見学に必要な所要時間、私が訪問した3月に境内で咲いていたお花を紹介します。
長谷寺ってどんなお寺?
奈良の長谷寺は、桜井市の山中にある寺院です。
長谷寺の起こりは奈良時代より前の686年、天武天皇の時代だそうですが、ハッキリした創建時期はわかっていないそうです。
長谷寺は平安時代には貴族たちに人気の参拝スポットだったことが「源氏物語」「枕草子」などの記述にあります。遅くても平安時代までには建立されているということですね。
電車も自動車もない平安時代に、京都から奈良の山中の長谷寺まで行くのは結構大変だったでしょうね。それでも貴族たちは数日かけてでも「長谷詣(はせもうで)」に出かけていたそうです。
現在の長谷寺は平安時代に貴族が詣でていた建物はほとんど残っておらず、長谷観音と呼ばれる本尊の十一面観音も室町時代の造立ですが、山中に広がる長谷寺は非常に美しく、本尊も大きくて見ごたえがあります。
長谷寺の見どころベスト3!
長谷寺は敷地が広く、たっぷりと楽しめますが、その中でも選りすぐりの見どころベスト3をご紹介します!
フォトジェニックな登廊
長谷寺といえば、そのシンボルといえるのが長ーい「登廊(のぼりろう)」です。
非常にフォトジェニックで、カメラが下手な私でもそこそこ素敵な写真が撮れてしまう!
「長谷観音」と呼ばれる十一面観音
長谷寺の本尊である十一面観音は、「長谷観音(はせかんのん)」と呼ばれ、霊験あらたか…願いを叶えてくれる仏様として知られています。
普段は本堂から遠めに顔だけを拝みますが、春と秋の「特別拝観」の季節には、かなり近くまで行って、観音の御足に触れることができます!(入山料とは別途拝観料が必要)
10m以上もあって迫力があり、顔つきは厳しいながらもどこか包容力があり、魅力的な仏像です。
季節ごとに咲く花を楽しめる「花の寺」
長谷寺は「花の寺」と呼ばれます。
牡丹が特に有名ですが、一年中季節ごとの花が咲いていて、どの季節でも花を楽しめます。
私が足を運んだ3月中旬は、黄色い山茱萸(さんしゅゆ)という花が満開でキレイでした!
長谷寺見学に必要な所要時間の目安は?
長谷寺の敷地は広大で、長谷寺見学にはそれなりの時間が必要です。
長谷寺で頂く境内地図には、開山堂経由(ショートコース)は30分、奥の院経由(ロングコース)は40分と書いてありますが、実際に足を運ぶと「見学にはもっと時間がかかるなあ…」と思いました。
長谷寺はフォトジェニックな素敵な風景が多く、つい立ち止まってしまうんですよね。
実際に長谷寺に行ってみた感覚では、長谷寺観光に必要な所要時間は、奥の院に行かないなら50分、奥の院まで行くなら1時間半ほしいと感じました。
もし特別拝観で長谷観音の御足にさわるなら、さらに15分は追加したいところです。
長谷寺の見どころをタップリご紹介!
長谷寺を私がまわった順に紹介していきます
最初から圧巻の登廊!
長谷寺の総門・仁王門をくぐると、すぐに登廊(のぼりろう)がはじまります。いきなり長谷寺の見どころが現れて、心の準備が…!
ゆるやか~に上っていく階段です。
399段もあるのですが、美しすぎて上っても疲れを感じない!登廊のサイドには、季節のお花が咲いています。
登廊の途中には、長谷寺にまつわる和歌や俳句などの歌碑があります。登廊を上る休憩がてらに見学!
上っていくと、階段の傾斜が少しずつ急になります。
近くにいた観光客の方が、「上りやすいように、傾斜は最初ゆるやかでだんだんキツくなるように作ってある」とおっしゃっていました。
こちらは上り切った登廊を上から撮った写真です。
こんなに素敵なのに、長谷寺の登廊は国宝ではなく重要文化財です。登廊が作られたのは平安時代ですが、真ん中と下の方は明治時代の再建でそれほど古くないから…なのかな?
時間があれば宗宝蔵に立ち寄ろう
登廊の途中、入り口に近い右手の方に「宗宝蔵(しゅうほうぞう)」があります。
建物自体は新しいですが、春と秋に、ここで長谷寺の寺宝を公開しています。
国宝があって見ごたえありますし、庭園もキレイなので、時間があったら立ち寄りましょう。
本堂で長谷観音をご拝顔
登廊を上り切ったところに、長谷寺のメインの建物・本堂があります。
本堂は徳川家光によって1650年に造営され、国宝です。
本堂の中には、長谷観音と呼ばれる長谷寺の本尊・十一面観世音菩薩立像(じゅういちめんかんぜおんぼさつりつぞう)があります。
長谷観音の全身を近くで拝むチャンスは、春と秋の特別拝観(別料金)です。
特別拝観でなくても、遠目にお顔だけなら、本堂の通り抜け部分から拝むことができます。
通り抜け部分の、長谷観音の反対側には内舞台と呼ばれる舞台があり、雰囲気バツグンです。
本堂の裏手からは、長谷観音が秘仏であった時代に代わりに、本尊の代わりに拝まれていた、本尊のミニチュア版のような仏像を拝めます。
通称裏観音と呼ばれる仏像で、本尊の特別拝観で本堂に入場する場合は、こちらの裏観音も間近で見ることができます。
本堂の舞台から景色を楽しむ
本堂は懸造(かけづくり)という建築方式で、山の斜面に建てられています。
高低差のある崖に作られているため、長い柱で支えているのが特徴!
京都の清水寺が懸造で有名ですが、長谷寺の本堂も、清水寺と同じように舞台があります。
私が足を運んだのは3月の平日で、観光客が少なく、舞台は広々としていて気持ちがよかったです。
舞台からの下の町の眺めは開放感があります。
周辺のお花がキレイな大黒堂
本堂を出ると、すぐ近くに大黒堂という小さな建物があります。
大和七福神八宝霊場のひとつで、大黒天が祀られています。3月はこの周辺はお花が咲き乱れていてキレイでした。
本長谷寺は長谷寺はじまりの地!
大黒堂を過ぎたら、いよいよ奥の院へ向かって歩きます。
途中に本長谷寺(もとはせでら)という、面白い名前の建物があります。
ここが「本」長谷寺と呼ばれるのは、686年に道明上人が天武天皇のために造営した精舎がここに造られた…とされているからです。
「長谷寺のはじまり」と言われる出来事です。
本長谷寺の中には「銅板法華説相図」(=道明上人が天武天皇のために病気平癒を願ってこのあたりに安置したもの)の、レプリカだと思われるものが置かれています。
あまりにもキラキラしているので「ん?」と思いましたが、本物は国宝で、奈良国立博物館が保管しているそうです。
五重塔は山の景色とマッチ!
本長谷寺の近くには五重塔があります。本堂の舞台からも見えている、長谷寺の風景のポイントとなっている赤い塔です。
昭和に建てられた比較的新しい塔ですが、長谷寺の境内が広がっている山間の景色によくマッチしていてフォトジェニックです。
長谷寺の奥の院までのアクセスはキツくない!
五重塔があるあたりを過ぎたら、奥の院に向かって歩きます。
少し距離がありますが、それほど大変な道ではありません。
室生寺や室生龍穴神社の奥の院にくらべると楽勝です~!
奥の院には「陀羅尼堂」と呼ばれる建物があります。比較的新しい建物です。
奥の院にはこの「陀羅尼堂」と「興教大師堂」という2つの建物があり、併せて菩提院と呼ばれ、長谷寺の塔頭寺院(敷地内にある独立したお寺)だそうです。
奥の院から本坊までは雰囲気のよい道!
奥の院から次の本坊までは、雰囲気のよい道が続きます。
下り階段なので、それほどしんどくはありません。
黄色い山茱萸の花の向こうに、本堂が見えてステキ!
ちょうど通りかかったお坊さんたちに、この黄色い花が「山茱萸(さんしゅゆ)」という名前であることを教えてもらいました!
本坊から長谷寺の遠景を楽しむ
長谷寺の順路最後に登場するのは本坊です。大正時代の再建ですが、重要文化財に登録されています。
私はこの本坊に入場できる共通券を持っていたのですが、ぶっちゃけド忘れしていて、中に入りませんでした!
長谷寺ではいろんな景色に「ステキ~!」とか言って興奮気味だったからな…。平常心は大事ですな。
本坊の前庭からは、長谷寺の本堂などを見上げるアングルで、素敵な風景を拝めます。
本坊を見学した後はそのまま退場できますし、登廊の方へ戻ることも可能です。
私は登廊へ戻る道の開花しかけの桜に惹かれて、登廊に戻っちゃいました!
まとめ
以上、長谷寺をタップリと紹介しちゃいました!
私がどのくらい滞在したかというと…本尊の特別拝観も含めて、2時間以上は長谷寺内をウロウロしていました…。もう大満足でした。
私が訪問した3月中旬の平日は参拝客は少なかったです。牡丹の季節や紅葉の時期など、もっと混雑する時期にはこんなにゆったりと滞在できなかっただろうな~。
3月中旬は桜満開とまではいかなかったですが、桜は咲きかけていましたし、早咲きの寒緋桜(だと思う。濃いピンクの桜)は満開でした。
長谷寺は有名な牡丹だけでなく、一年を通していろいろなお花を楽しめます。
ゆったりしたい場合は、あまり混雑しない時期を狙って参拝するのがおすすめです。
また、長谷寺で頂く境内マップには、開山堂経由(ショートコース)と、奥の院経由(ロングコース)が紹介されていますが、「奥の院だけ行かない」というミドルコースも可能です。
「奥の院まで行くのはしんどいけど、五重塔や本坊は見学したい!」という方は、このルートで歩くのがおすすめです。