オーストリア出身の画家で、最も名前が知られているのはグスタフ・クリムトでしょう。
幻想的・官能的な作風で、日本でもファンが多いですよね。
ウィーンでは、クリムト作品を代表作からデッサンまで、かなりたくさん観賞することができます。
残念ながら「クリムト美術館」というものはなく、クリムト作品はいろいろな美術館に点在しています。
ウィーンでクリムト作品をトコトン観賞するなら、どの美術館を優先して入館すべきかまとめてみました!
ベルヴェデーレ宮殿上宮
世界一のクリムトコレクションを誇るのが、ベルヴェデーレ宮殿上宮の中にある絵画館です。
20作品以上のクリムト作品を所蔵していて、修復中や貸し出し中で多少の変動はありますが、常時20作品前後のクリムト作品を鑑賞できます。
しかも、ただ「たくさん持っている」というだけでなく、クリムトの代表作があるんです!
クリムトといえばこの作品!の代表作「接吻」。
「ユディト」。残酷なシーンを、官能的かつ退廃的に仕上げたスゴイ作品です。
「アダムとイヴ」。イヴがもはや現代的な悪女にしか見えない…。
「フリッツアー・リドラーの肖像」
「家族」
クリムトと言えば官能的な女性を描くイメージが強いですが、メルヘンチックな風景画もたくさん展示されていました。
未完作品も展示されています。
こちらも未完ですが、タイトルは…「花嫁」。タイトルを知ってから絵を見ると、いろいろ深読みしたくなっちゃいますね。
真ん中左の男性が「花婿」なんでしょうけど、真ん中の花嫁を迎えているくせに、心の中には他の女性がたくさんいるみたいな…
まだそれほどクリムトらしさが全面に出ていない、初期の作品もたくさん展示されていて、クリムトの画風の変遷を見るのも楽しいです。
セセッシオン
クリムト好きが、ベルヴェデーレ宮殿上宮と並んで外せないのがセセッシオン(分離派会館)です。
セセッシオンにはクリムト作品はひとつしかありませんが…そのひとつが壁3面に描かれた大作「ベートーヴェンフリーズ」なんです!
全部で6つのパネルになっているので、クリムトの大きい作品を6作品鑑賞できるようなものです!
個人的にウィーンで見たクリムト作品の中で、最も気に入ったのはこのベートーヴェンフリーズです!
ベートーヴェンフリーズについては、もっと詳しく書いた記事がありますので、よろしければあわせてご覧ください→【ウィーン】クリムトのベートーヴェン・フリーズ観賞ガイド!
レオポルト美術館
クリムト好きに、3つ目の美術館としておすすめしたいのはレオポルド美術館。
クリムトの代表作のひとつ「死と生」を所蔵しています。
他にもクリムトの風景が肖像画など5作品前後を展示しています。
レオポルド美術館は、クリムトの代表作「ダナエ」を所蔵しているはずなのですが…2019年3月に入館した旅の連れが言うには無かったとのこと。
私は連れと分かれてアルベルティーナ美術館に入ったため、レオポルド美術館には入っていないんです。次にウィーンに行ったときに入館したら「ダナエ」に会えるかなあ…。
その他のクリムト所蔵の美術館
上に挙げた3つの美術館が、クリムト好きにおすすめしたい3大美術館ですが、その他のクリムト作品を持っている美術館の情報も書いておきます。
カールスプラッツ美術館
カールスプラッツ美術館には、クリムトの代表作「エミーリエ・フレーゲの肖像」や、「パラス・アテナ」があります。
ですが、残念ながら2019年3月は閉館していました。
アルベルティーナ
アルベルティーナ美術館はクリムトの「ニンフ(水の精)」を所蔵しています。
デッサンの展示コーナーには、クリムトのデッサンが数点展示されています。
美術史美術館
ウィーン最大の美術館である美術史美術館は、額に入った形でのクリムト作品の展示はありません。
ですが建物内の、階段上部にクリムトが装飾した壁画があります。
まとめ
ウィーンでクリムトの作品を鑑賞できる美術館を紹介しました。
まとめるとクリムトファンは、
- ベルヴェデーレ宮殿上宮
- セセッシオン
- レオポルド美術館
の順番で優先して入館することをおすすめします。
特にベルヴェデーレ宮殿上宮は世界最大のクリムトコレクションを誇るので、「どれが1つにしか入る時間がない」という場合は、ベルヴェデーレ宮殿にしましょう。
「本っ当~に時間がないけど何かクリムトが見たい!」という場合は、観賞が一部屋で終わるセセッシオンがおすすめです。